池の岱
国道228号線(及部川河口)から北へ約4kmの地点、総面積約56.64ha、うち人工林39.04ha、天然林・道路その他で17.60haとなっている。
気候的、地理的にも条件が良く、古くから植栽が行われ優良人工林が多い。
沿革
「池の岱」の開基は、今から約500年前、当時の豪族今泉刑部少輔季友(いまいずみけいぶのしょうすけすえとも)がこの地に岩を築き、住民を支配したのが始まりと言われ、幕末の頃は松前藩公が鷹狩、魚釣り等を楽しんだ場所である。
スギ植栽の歴史は、「村上系松前家家譜」によれば松前藩随一の碩学で家老であった松前監物広長(第11代藩主邦広の五男)が倹約総司を命ぜられ、池の岱に安永2年(1773年)スギ、マツを植えたのに始まる。
このスギは嘉永3年(1850年)以降の福山城(現松前城)の築城に用いられた。
一方藩政としても安政年間(1854年~1860年)にヒノキ、クロマツ、ミツマタ、ウルシ等と共にスギが植栽された。
明治28年には道南地方の電柱材として植栽後44年のスギが間伐され(伐採量4,600㎥)、昭和19年戦時造船用材として皆伐されたが、その内2本の古スギが開道百年記念の名木に指定され現在に至っている。
管内の本格的なスギの主伐に先駆けて昭和55年に「スギまつり」を実施、堂垣内知事揮毫による「樹齢の碑」を建てた。
管内のスギ人工林は明治・大正期を通じて小規模に行われてきたが、積極的な植栽は昭和27年以降で現在に至っている。
スギの生産目標は長伐期良質大怪材の育成を目指していて、特に、池の岱のスギは、道内でも代表的な美林として見学コースとなっている。
みどころ
古スギ
このスギは、函館山水元谷にある古スギと共に、道内に現存する最古のスギと言われている。
昭和29年までは、現存のものと同様のスギ巨木4本が相寄り添っていたが、15号台風の被害で2本が倒れ、現在2本が「北海道名木」に指定されている。
・安政年間(1854年~1860年)に植栽されたものと思われる。
・胸高直径 97cm、136cm
・樹高 34m、37m
北海道百年記念美林
池の岱造林地内の代表的な美林である。
・1928年(昭和3年)植栽
・面積 1.12ha
・現状(平成11年12月調査)
・本数 734本
・材積 1,125㎥
・平均胸高直径 42cm
・平均樹高 22m
ヒバ人工林
数少ないヒノキアスナロ(ヒバ)人工林のうち、特に優良な人工林で、津軽地方のヒバに比べても遜色無い優良林分である。
・1913年(大正2年)植栽
・面積 0.64ha
アカマツ林
古スギと共に、安政年間(1854年~1860年)に植栽されたものと思われる。