渡島のにら                      

 

葉肉が厚く柔らかなにらが、旬を迎えています

  東アジア各地に自生し、古くから薬としても利用されてきたにら。国内では9~10世紀ころから栽培が始まったといわれています。現在は、強い匂いもあまり嫌われなくなって消費が伸び、耐寒、耐暑性が強いことから北海道から沖縄まで全国で栽培されています。

 平成19年の都道府県別出荷量は、高知県が出荷量13,900tのトップで、次いで栃木県、茨城県、群馬県、宮崎県などが続き、北海道は2,410tで10番目に位置しています。

 渡島管内では、知内町(出荷量1,626t)と八雲町(8t)で栽培されていますが、知内町は、水田転作でニラ栽培に取り組んで以来35年、道内出荷量の7割近くを占める全道一の産地となっています。
 渡島管内で栽培されているにらの品種は「パワフルグリーンベルト」で、幅広で柔らかく背丈の長いのが特徴です。

 

 にらハウス

「北の華」とトレサビリティー

 知内町のにら栽培は、昭和46年から始まった水田転作をきっかけに、生産者9名による「重内ニラ栽培研究会」が発足してスタートしました。昭和50年には「知内町ニラ生産組合」として新たなスタートを切り、昭和56年に個選共販体制を整えました。平成9年に「北の華」としてブランド化、10年には品種を「パワフルグリーンベルト」に統一して、完全共販体制としてきました。
 その後、消費者の安全・安心志向の高まりから、平成16年に結束テープに生産者番号を明記するなど「トレーサビリティー」の確立を図り、包装フイルムに収穫・包装月日をコード化して印字、ハウス台帳の完備と出荷ほ場番号管理を強化し、19年からは「QRコード」の印字をすることにより「しりうち野菜ホームページ」と連動させ生産者の検索ができるようにしました。
 さらに、20年からは、農作業の各工程を記録・点検するGAP(農業生産工程管理手法)の導入を進めるなど、消費者が求める安全・安心なにら生産に向け取り組んでいます。
 知内町ニラ生産組合は、これまでの実績が認められ、19年にコープさっぽろの産直商品に認定されたほか、「日本農業賞(銀賞)」や「北海道朝日農業賞」、「ホクレン夢大賞」など様々な賞を受賞してきました。

 組合は、現在74戸の生産者がおり、平成20年の出荷量は約1,700t、売上額は8億7千万円に達しています。商品のブランド名「北の華」は、公募により、6月下旬頃に咲く可憐なにらの花から名付けられたものです。

 にらの花。花はとう立ちしないと咲かないので、一般ほ場では普通見ることができない。

 

 


にらの休眠

 知内町のにら栽培は、加温ハウス栽培と無加温ハウス栽培の「前期にら」と夏秋どりの「後期にら」の組合せで栽培が行われています。3月には種し、6月に定植、翌年の1月から収穫を始めます。収穫までに1年近くもかかりますが、その後は、2年間で8~10回収穫を行い、株を終わらせます。
 にらは、刈り取った後の株から再び新葉が伸びて、年数回収穫できる珍しい野菜ですが、こうしたにらも寒さの厳しくなる北海道の11、12月は休眠に入ります。このため、北海道産は、11月から1月までが端境期となり、道内市場では福島県など府県産の入荷が増加していました。その後、加温栽培法が確立し、現在は1月上旬からの出荷が可能になっています。知内町ニラ生産組合では、さらに、寒冷地に向いた品種の試験栽培等を行い、通年出荷を確立しようと研究を続けています。


 

【JA新はこだて知内支店のにら共選施設】

にら施設1 にら施設2 にら施設3   
結束されたにらを1束ずつラインへ     包装されました               50束が1箱に箱詰めされます      



にら施設4
ロボットが梱包し積み上げます

 

         

  

 

 berryスーさんの産地レポート

 

       ~石本 顕生 さん(知内町ニラ生産組合長)に聞く

  

石本さん

 

 暖冬と言われるこの冬、渡島管内の一番にらを求めて知内町中の川でにらを栽培されている石本顕生さんを訪問してきました。
 一番にらは1月4日から収穫が始まったということで、訪問した2月上旬は既に終盤に入っており、2番にらの収穫が始まっていました。
  ビニールを3重に重ねた温かいハウスに入ると、にら特有の臭いがほんわり立ちこめ、収穫後の切り株に近づくと強烈な臭いが...

 石本さんは、水田転作を機ににら栽培を始めたそうです。始めた時は試行錯誤の繰り返し。仲間とともに勉強会を開いたり、他産地の視察などを繰り返したとのことです。現在は、90mもの長さの150坪ハウスが10本にもなりました。
 にらは、寒さや日照に敏感で、温度管理にとても気を使います。冬場の無加温ハウスだと室温がマイナス5度位まで下がるそうですが、逆に日中、晴天の時はプラス40度まで室温が上昇するとのこと。暑いとにらの葉が横に広がってくるので、外張りのビニールをはいでやるなど、こまめな温度管理が欠かせません。石本さんは1日中ハウスを見回り温度管理を行っているとのことでした。
 また、除草剤は使わないで雑草が生えてきたら手で取ることにしており、丈夫なにら栽培に心がけ、病害虫の発生を抑えるため温度は低めに設定するとのことでした。

 背丈が50cmくらいに伸びたら収穫適期。生長度合いを見て前の日から翌日収穫するほ場を決めておき、朝5時半、まだ真っ暗な中収穫作業を始めます。灯かり無しでよく手元が狂わないなァ~と思いますが、そこはこの道20数年、「慣れたもんですよ・・・」とおっしゃっていました。
 石本さん宅では、奥さんと二人で一日10数ケース(1300束ほど)を朝早くに収穫し、それを選別・結束し、午後に農協の集出荷施設へ搬入する毎日だそうです。
  ハウス50mで約3,000株あるそうで、その1株当たりにらが約25本。1束を112~113グラム(12本程度)に結束し出荷です。結束作業はおじいちゃん、おばあちゃんが孫をあやすようにやさしくコツコツと行ってらしゃいました。

 天気が良く、生育が良くても、冬場など鍋物に利用される機会が多いにらは、ある程度外気温が下がってくれなければ需要も減るので価格面でうまくいかないのが辛いところ、と石本さんはおしゃっていました。

 石本さんのお薦めの食べ方は、白根のにらを刺身のようにわさび醤油でいただく。これがお酒にマッチする食べ方だとか。

 

 

にら作業1 にら作業2 にら作業3
  にらの根もとの皮をエアーでとります   重さを量って調整機械に乗せます    機械が自動で結束します

 

 

 

 

にらの豆知識                    

 

にらの栄養

 にらの強い匂いの素は、ねぎやたまねぎと同じ硫化アリルという物質です。ビタミンB1の吸収を高めたり肉や魚の生臭みをやわらげる働きもあります。
 また、カロテンも豊富で、ビタミンCやビタミンEも含まれる緑黄色野菜です。食物繊維も多く含まれ、食欲増進の効果もあります。
 

 

にらの選び方
 

 葉の幅が広く、新鮮で色つやがよく、ピンと伸びていて、やわらかいものが良品です。  

 

 

北の華
にらの保存方法

 傷みやすいので早く食べます。冷蔵庫の野菜室に立てておくと葉が重ならず、傷みにくい。また、にらは調理の直前に切ります。あらかじめ切っておくと、酵素の作用で、においがきつくなります。

 

 
 にら料理

 にらは、香りの成分(硫化アリル)が肉や魚を美味しくし、各種ビタミンも豊富なため緑黄色野菜の優等生と言われています。洋風、和風、中華風にと、どんな料理でもぴったり合います。言うならば料理の名脇役です。
 日本では、古くからにらの葉を煮たり、粥に入れたり、汁のみ、和えものなど、にらの香りを楽しみながら、体を温める料理として利用されてきました。
 一方、にらくさい成分がタンパク質と結びつく性質を利用して、にらの卵とじ、レバニラなどに調理して、臭いを抑えた食べ方として親しまれています。

 


 

HOTニュース                      

 

大豆味噌の仕込みがシーズンです

 古くから味噌づくりは、「寒仕込み」と言って、1~2月の雑菌の繁殖しにくい時期に行われてきました。
渡島管内は、大豆の中でも「鶴の子」などの高級大豆銘柄の産地で、こうした大豆を使って寒仕込みの
味噌づくりが行われています。今月は、渡島管内の農業者が販売しているお味噌をご紹介します。

 

わくわくみそ

手作りみそ

手作りこうじ味噌


 知内産鶴の子大豆と  
 米こうじを使用    

■内容量 750g 
■価格    525円
■製造・販売
  わくわく工房
  代表 笠松 悦子
  知内町元町164 
  Tel 01392-5-5705

 


 八雲産鶴の子大豆と 
 もち米こうじを使用 

■内容量 750g  
■価格    525円
■製造・販売
  ほっぺの会
  代表 林 由美子
    八雲町東野
  Tel 01376-6-2008


函館産「夏の調べ(茶豆)」
と道南産米こうじを使用

■内容量 1kg
■価格 600円
■製造・販売
  ばんば屋 
    代表 滝花 真姫子
  函館市昭和3-25-36
  Tel・fax 0138-40-0831

 

お味噌を自分で仕込んでみたいと思う方は、北斗市の(有)緑友会六輪村で、平成21年3月24日に
味噌づくり体験(数名限定、材料費等実費)が行われますので、是非挑戦を!

問合せ先   (有)緑友会六輪村 北斗市大工川48 Tel 0138-73-6998

 

大粒大豆「タマフクラ」が便利な水煮で新登場

 道南地域向けに開発された国内最大級の大豆新品種「タマフクラ」の本格的な栽培が昨年から渡島管内で始まりました。夏に枝豆で試された方もいらしゃると思います。

 その「タマフクラ」が、今回調理に便利な水煮になって販売されました。生産量がまだ少ないため、限定販売です。ボーリューム感たっぷりで、サラダ、豆ごはん、炒めものなど様々なお料理に即戦力として活躍してくれます。

お買い求めは、

函館豆笑 催事等での限定販売 21年2月18日から24日まで 丸井今井函館店で販売                                 販売に関する問合せは、(株)だるま食品本舗 函館市西桔梗町589-216 Tel 0138-49-3569          

  
*(有)緑友会六輪村直売所  北斗市大工川48 Tel 0138-73-6998