
「働く」から、「地域でつながる」へ。
○渡島管内では、障がいのある方の働く場づくりと、農業・水産業の担い手確保、地域とのつながりを生み出す取組が進んでいます。
○農福連携
- 障がいのある方が農業の仕事に関わることで、働く機会や地域とのつながりを広げる取組です。
○水福連携
- 障がいのある方が水産業の仕事に関わることで、働く機会を広げるとともに、水産業の担い手確保や地域づくりにつなげる取組です。
○渡島管内で取組を進めていること
- 福祉 × 農業 → 働く・地域参加・工賃向上・担い手確保
- 福祉 × 水産業 → 働く・地域参加・工賃向上・担い手確保
○地域課題から生まれる価値が、社会を動かし、やがて世界へ広がっていきます。渡島総合振興局では、今後も「農福連携」及び「水福連携」に資する取組を、さまざまな方々と共に推進してまいります。
○多様な機会を通じて情報を発信し、皆さまと関係を深めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

「おしまでは、どれくらい取り組まれているの?」
農福連携・水福連携に関するアンケート調査結果(令和8年8月実施)
〇多様な作業が必要となる農業現場や水産業分野では、個々の特性に合った作業との出会いにより、障がい者等も農業・水産業の貴重な働き手になるとともに、工賃の向上等を通じた生活の質の向上も期待されています。
〇こうした中、渡島総合振興局管内における農福連携・水福連携に関する現状や課題等を把握し、今後の施策の検討に資するよう、アンケート調査を実施いたしまた。
概要
〇本調査は、渡島総合振興局管内の就労継続支援事業所10施設を対象に、農福連携・水福連携の実施状況、拡大意向、参入理由、必要な支援等を把握したものです。
〇分析からは、農福連携が一定程度定着する一方、連携の拡大・継続を規定する要因として、仲介・調整機能、適正な受託単価・工賃向上、利用者の負担と人的支援、安全・気象リスク、設備・技術支援が浮かび上がりました。
〇特に、連携の量的拡大のみではなく、「公正な取引」、「利用者本位」、「リスク分担」、「中間支援」といった質的な条件を整えることが、持続可能な農福連携・水福連携のキーになると考えられます。
調査の位置づけと分析方法
〇回答10件を母集団とする探索的・記述的分析です。
〇回答サンプルの問題があり、未回答項目も含まれるため、渡島管内全体への一般化や因果推論は行わず、今後の調査・対策の検討資料として位置付けています。
農福連携・水福連携の取組状況

〇農福連携は7事業所が現在取り組んでおり、回答群では既に一定の実践基盤があります。
〇水福連携は取組中が3事業所あり、農業より参入・継続の基盤が限定的となっています。
今後の農福連携・水福連携の方向性

〇拡大志向は4事業所に確認される一方、現状維持・縮小も3事業所ありました。
今後、農福連携・水福連携に取り組むために必要な支援

自由記述記載の質的分析
○障害福祉サービス事業所における農福連携・水福連携の実施状況及び推進上の課題について、事業所の自由記述意見を整理・分析しました。
○分析の結果、一次産業における人手不足の解消、利用者の健康増進、地域とのつながりの創出等について、取組の意義を評価する意見がみられた一方、継続的な実施を阻む複数の構造的課題が確認されました。
○具体的には、利用者の作業負荷、支援者の同行、作業時間・送迎、利用者特性に応じた人選等の実施体制上の制約に加え、農業者・水産業者からの予定外作業、作業条件の不一致、気象災害による受注機会の喪失等、取引関係の不安定性が指摘されています。
○また、利用者の労働を安価な労働力として扱うのではなく、作業内容、作業量、必要な支援等を踏まえた適正な受託単価を設定し、工賃向上に結び付けることの重要性が示されています。さらに、設備投資への支援、行政による仲介機能、障がい特性への理解促進、事業者側への能力理解、気象リスクへの対応等も必要とされています。
○以上から、今後の農福連携・水福連携は、単なる作業機会の拡大ではなく、障害福祉サービス事業所と一次産業事業者との対等な取引関係を基盤として、経済的持続可能性、支援体制、リスク分担を一体的に整備する枠組みとして再構築する必要があると考えられます。

考察
〇本調査からは、農福連携・水福連携の取り組みに際して、
- ①仲介・調整機能の有無が連携成立率・継続率を左右すること、
- ②適正受託単価は工賃向上のみならず、連携継続性にも影響すること、
- ③利用者の作業特性と作業工程のマッチング精度が安定性・生産性を規定すること、
- ③気象災害等のリスク分担を事前に定めることが双方の継続意欲を高めること、
といった論点が導出されました。
〇今後は、事業所調査のみならず、農業・水産業者、支援員、利用者本人への調査を組み合わせて、相互理解を深めていくことが重要であると考えられます。


