注目の食トピックス【酒類】

南北海道注目の食トピックス【酒類】

1.ブドウ栽培から醸造まで 世界が注目する南北海道産ワイン

ワイン

情熱あふれる醸造家たちが拓く 「北のワイン新時代」

北海道は今、ピノ・ノワールやシャルドネといった欧州系品種が、豊かに実る場所へと変貌を遂げた。特に、道南では比較的温暖な気候に恵まれた函館市、北斗市、七飯町を中心とする「南北海道エリア」は、世界中のワイン愛好家が注目する最もエキサイティングな場所の一つである。昼夜の寒暖差は、ブドウに凝縮した果実味を与え、冷涼な気候はフィネスの骨格となるきれいで伸びやかな酸を生み出す。さらに、多様な地質が入り混じる複雑な環境が唯一無二のテロワールを形成する。
このポテンシャルに気付いた情熱あふれる国内外の栽培家・醸造家たちが、理想のワイン造りを求めて北海道に集まってきている。ブドウ栽培からワイン醸造までを一貫して自らの手で行う「ドメーヌ栽培醸造家」である彼らが目指すのは、単に美味しいだけではない、小規模ながらも強烈な個性と哲学を持つワインの表現である。そうした造り手たちが次々と誕生し、礎を築いてきた先駆者とともに、南北海道ワインのレベルを急速に押し上げている。
近い将来には、ワイナリーを巡り、その土地の食材を使った料理とワインを楽しむワインツーリズムの世界的拠点となることも期待される。
こうした恵まれた気候、複雑な土壌、そして情熱に満ちた人々という三つの要素が揃った南北海道は、世界のワイン地図にその名を深く刻む、新しい銘醸地としての歴史を、今まさに歩み始めている。

選ばれる銘醸地を目指して 道南ワインアカデミー

ワイナリーの進出ラッシュに沸く南北海道エリアで、地域のワイン産地化に向けて設立されたのが道南ワインアカデミーだ。同アカデミーではインポーター醸造に携わる当事者などを対象にしたセミナーを行い、さらなる知識の向上に役立っている。これまで開催したセミナーのテーマは、土壌、栽培、醸造、酒免許など多岐にわたる。第一線で活躍する専門家による講義は、単なる知識の習得にとどまらず、ワイン関連事業者が情報交換を行うネットワークの構築も大きな役割の一つとなっている。
銘醸地へと歩み出した南北海道。アカデミーを通じて培われた知恵と絆はワインの品質を底上げし、地域の個性を磨き上げる大きな力となっている。

2.地元の酒蔵復活と酒粕を利用した産品の開発

日本酒

わが街でお酒が醸される風景 日本酒ルネサンス

木古内町の「みそぎの舞」や知内町の「ましろ」、奥尻町の「奥尻」など、南北海道で親しまれている日本酒はいくつかあったが、いずれも他の地域で醸造したもの。かつて、20以上の酒蔵が軒を連ねる酒造りの拠点でもあったこの地域は、七飯町にあった日本清酒の工場が1985年に閉鎖して以来、酒蔵のない時代が続いていた。
しかし2021年、実に約35年ぶりとなる2つの酒蔵が誕生し、大きなムーブメントが起きた。1つ目の酒蔵は、「七飯町で酒造りを復活させたい」という熱い想いから、地元有志が設立した「箱館醸蔵」だ。「道南テロワールを一つのテーマに、地元で生産された酒造好適米と、横津岳の伏流水を使って醸造される日本酒は、(郷の宝で醸す)という決意を込め、郷宝(ごっほう)と名付けられ、淡麗口でキレの良い後味が特徴だ。
二つ目の酒蔵は、地元企業や酒店、上川大雪酒造が手を取り、函館市内では54年ぶりに誕生した「五稜乃蔵」である。2024年には清酒製造免許を取得し、現在では醸造から販売まで一貫して手掛けている。北海道産の酒造好適米3種と地元、松倉川水系の超軟水を使って醸される「五稜」は、すっきりとした飲み口と上品な旨みが特徴で、土地の海産物に合うお酒だ。酒蔵には、ショップやテラスも併設され、観光客だけでなく「地域コミュニティの拠点」としての役割も果たしている。いずれの酒蔵も、まさに市民が待ち望んだ「わが街の酒蔵」だ。

酒粕から生まれるイノベーションスイーツ、水産加工、飼料・・・

酒蔵の誕生は、芳醇な香りと高い栄養価を併せ持つ、新鮮な酒粕という「宝物」も地域にもたらしている。地元の菓子店や飲食店では「酒粕レーズンバター」や「酒粕パウンドケーキ」、「北のハイグレード食品2025選定 酒粕あいす 郷宝」、酒粕を練り込んだパンなど、酒粕を使った商品が次々に開発されている。また、酒粕は魚や肉を柔らかくし、旨味を引き出す成分が豊富なことから、水産物や畜産加工への活用も進んでおり、牛や豚の肉質向上のための飼料としても使われている。
酒粕のアップサイクルは、地域経済を支える「新しい循環」の形を示している。日本酒造りは、その土地の個性を「醸成」する営みであり、箱館醸造や函館五稜乃蔵の誕生が、南北海道の食文化に厚みをもたらしている。


カテゴリーから探すエリアから探す

カテゴリー

お問い合わせ

渡島総合振興局産業振興部商工労働観光課

〒041-8558函館市美原4丁目6番16号渡島合同庁舎内

電話:
0138-47-9459
Fax:
0138-47-9207
cc-by

page top