1.河川水濁度調査の目的
河川水の「濁り」の調査及び調査データの公表を通じて河川を介した一貫したシステムである「流域」の森林機能や森林施業への理解を促進するとともに、「濁り」を「濁度」という単位(NTU)で捉え、調査・検証することで海域を含めた流域環境の保全を図ることを目的としています。
2.調査対象河川及びその選定理由
調査対象河川:2級河川-汐泊(しおどまり)川
選定理由:汐泊川の源流は道有林にあり、水産資源の保護培養のため「保護水面」に指定されていることから、上流域から河口に至るまでの流域において適時濁度調査を行います。
3.調査方法
定点観測(調査箇所位置図参照)とし、データが蓄積してきたことから大雨、洪水等の警報発令後に採水し濁度を調査します。
また、データが蓄積されてきた場合、濁水発生源の探索のため調査箇所を増やしたり、濁水が認められなければ調査箇所等を変更したりすることがあります。
4.調査項目
流域情報:土地利用の種類別面積(流域面積)、地質等の情報です。
採水情報:年月日、時刻、採水地点の河口からの距離、川幅、濁度、水位、採水時の1時間当たりの雨量(気象台データ)等の情報です。
調査結果:
~平成19年度から令和4年10月に実施した結果をグラフで表しています。
5.濁度情報(解説)
濁度(NTU値)とは?
濁度とは濁りの程度を数値化したものです。NTUという単位で表し、この数値が大きいと濁っていることになります。
濁水の原因物質は浮遊土砂であり、「浮遊土砂の濃度」は濁りを表す大事な指標の一つですが、分析に手間と時間がかかるため、濁りの程度を数値化した「濁度」を指標として本調査を行います。
きれいな水と濁った水の標準的な濁度とは?
視認できる濁りは10NTU程度以上であれば確認できますが、一般的に濁りと判断される数値は100NTU以上といわれています。
また、川の濁りは雨が降っていない場合で10NTU以下、雨が降っている場合で650NTU以下が、一般的な範囲内とされています。
調査箇所の環境
本調査箇所は調査時に水鳥やフクロウを目撃したり、イワナの遊泳を確認したりすることができるなど、生物の多様性が豊富なところです。